【経験談】HSS型HSPは営業が「向いている」のではなく「できる」だけ!
- HSS型HSPが本当に営業職に向いているのか不安
- 現職が営業職だけど転職してもいいか分からない
- 営業職をやるにしても「新規営業」と「ルート営業」どっちがいいの?
今回は、このような疑問を持った方向けに、HSS型HSPと営業職の相性について紹介していきます。
こんにちは!
私はHSS型HSP気質を持ちながら、新卒で入社した商社で3年間ルート営業をやっていました!若干ですが、同社で新規営業の経験もあります!
今回はその経験をもとに、HSS型HSPと営業の相性について紹介していきたいと思います!
実際に起きた例を挙げながら紹介していくので、あなただったらどう感じるかを、想像しながら読んでみてください。
あらかじめ、結論をお伝えすると、
HSS型HSPに営業は向いていないです。
以下ではその理由を紹介します。
HSS型HSPは営業が「向いている」のではなく「できる」だけ
HSS型HSPにとって営業は、「向いている仕事」と表現されることが多くあります。
しかし私は、「向いている仕事」ではなく、あくまで「できる仕事」という表現が正しいと考えています。
なぜなら、HSS型HSPとって営業は、常にストレスを抱えなながら行う仕事だからです。
HSS型HSPは、周りからの期待に応えるために自分を取り繕うプロです。
周りが「こうして欲しい」と期待していることにいち早く気付き、無意識に応えようとします。
(そして、良くも悪くも応えることができてしまいます。)
営業においてこの能力は、相手の要望(ニーズ)を察知し的確に応えられるため、非常に相性のいい能力だと言えます。
その結果、上司やお客さんからの評価も高く、周りからは「営業が向いている」と思われがちです。
私も、先輩やお客さんに営業を辞めると伝えたら、「絶対に営業は向いてるのに勿体無い!」と、ほぼ全員に言われました。
しかし、実際は無理をして他人に合わせているだけなので、本人は精神的なストレスを抱えています。
人によっては、評価すらプレッシャーに感じ、さらに期待に応えようと、負のスパイラルにはまってしまいます。
そんな精神的ストレスを前提に評価される仕事を、果たして「向いている」と言えるのでしょうか。
もちろん答えはNO。
つまり、HSS型HSPにとって営業職は「できる仕事」であっても、「向いていない仕事」だと言えます。
特にルート営業は向いていない
営業職の中でも、私が実際に経験した、ルート営業は特に向いてないなと感じました。
「他のサイトで、HSS型HSPはルート営業に向いているって書いてあった!」
と思う人もいるかもしれません。
確かに、私も「ルート営業は向いている方なのかな‥」
と感じた瞬間は、少なからずありました。
そこで今回は、私がルート営業を経験して
- HSS型HSPがルート営業に向いてないと思った理由
- HSS型HSPがルート営業に向いてると思った理由
この2つに分けて紹介していきます。
それぞれを確認し、あなたが当てはまりそうかどうかを、一緒に考えてみてください。
はじめに
まずは実際に私が経験した、「営業」がどんな仕事だったかを紹介していきます!
業種 | 商社 |
業界 | 工業用品 |
職種 | 営業(ルート) |
顧客 | 法人(B to B) |
経験年数 | 約3年 |
私は、新卒で入社した商社で、ルート営業(BtoB)として勤めていました。
商社とは、自社商品を持たずに、メーカーや他の商社から商材を仕入れ、お客さんに販売する業種のことです。
自社商品を持たないため、お客さんは競合他社でも同じ商品を購入することができます。そのため、お客さんとの信頼関係が、売上に大きく関わってくる業種でした。
ルート営業ってどんな仕事?
ルート営業とは、既に自分が所属している会社と、取引を行なっているお客さん(会社・個人)に対して、営業活動を行うスタイルです。
ルート営業は、既存顧客の売り上げをどれだけ増やせるかが、最大のミッションとなってきます。
そのため、定期的にお客さんとコンタクトをとり、信頼関係を構築することが重要となってきます。
- 新商材の紹介
- 悩みや相談に対して改善策の提案
- 納品した商材のアフターフォロー など
私の場合は、業種が商社だったこともあり、お客さんだけでなく、仕入れ先とも信頼関係が必要でした!
ルート営業と新規営業の違い
ルート営業も新規営業も、「会社の売り上げを伸ばす」という目標は同じですが、大きな違いはその方法です。
既存顧客の売り上げを伸ばしていくルート営業(1→10)に対して、新規営業は顧客自体を新しく増やしていく(0→1)イメージです。
そのため、ルート営業と新規営業は、必要なスキルや、向いている人も少し異なってきます。
- アポイント取り(テレアポ・訪問など)
- 商材のプレゼンテーション
- 資料制作 など
ルート営業が向いてないと思った理由
ここからは、実際に私がルート営業を経験して、向いていないなと思った理由を紹介していきます。
主な理由は以下の7つです。
- 電話での連絡が多い
- お願いをするのが苦手
- 自信のない製品を売ることに罪悪感がある
- 長期的な人間関係は負担
- 物事を深く考えすぎてチャンスを逃す
- 相手の言葉で一喜一憂してしまう
- 人から引き継いだ仕事は面白くない
一つずつ紹介していきます。
①電話での連絡が多い
HSS型HSPの中には、電話が苦手という方も多いのではないでしょうか。
これは、自分の考えをすぐ言葉にしなければいけない事への苦手意識が理由で、私自身もそうでした。
しかし、ルート営業は、お客さんからの相談を受けることが多く、中には急を要するものもあるため、電話での連絡が必然的に多くなります。
電話をかける側ならまだいいですが、急にかかってきた電話は、後から「あの言い方でよかったかな‥」と一人反省会することも多かったです。
不在着信があった時には、「何かやらかしたか!?」と、ドキドキしながら折り返していました。
②お願いをするのが苦手
ルート営業をしていると、お客さんからなかなか無理なお願いをされることもあります。
例えば納期について。
有形商材を扱っている営業だと、「〇日までになんとか納品してほしい」というお願いをされたりします。
自分の裁量で、なんとか出来るならいいですが、どうしても社内の人や工場、仕入れ先の担当者に、協力してもらわなければいけない場面が出てきます。
その際、「今は忙しそう‥」「こんなことお願いしたら迷惑だろう」「逆に自分がされたら嫌だな」と分かっているけど、お願いしないといけない訳です。
もちろん、確実に無理なお願いであれば断りますが、相手の気持ちも分かってしまうHSS型HSPにとって、無理だと伝えることさえも申し訳ないと感じてしまい、心苦しかった記憶があります。
それが仕事だと分かっているからこそ、「言わなければいけない気持ち」と、「言いたくない気持ち」が葛藤して、余計ストレスに感じてしまいました。
③自信のない製品を売ることに罪悪感がある
営業職であれば、どの業種・業界であっても、会社として力を入れいている(売らなければいけない)商材があるかと思います。
特にメーカーであれば、どれだけ他社製品の方が優れていたとしても、自社製品を薦めて購入してもらう必要があります。
この「本当は他の製品の方がいい」と分かっていても、自社製品を売らなければいいけないことに、罪悪感を感じることがよくありました。
反対に、良い製品だと自信を持ってい言えるのであれば、積極的に活動できる面もありました!
④長期的な人間関係は苦手
冒頭でもお伝えした通り、ルート営業にとって、信頼関係は想像以上に重要です。
HSS型HSPは、相手の細かい部分まで気遣いが出来るので、信頼関係を構築するのは、実際そこまで難しくないです。
しかし長期的となると、「信頼関係を構築しなければいけない」という責任感が強くなり、より気を遣いながらコミュニケーションをとってしまいます。
その結果、信頼関係は構築できる代わりに、精神的にも肉体的にも疲弊してしまいました。
当然、営業を続けていればその期間も継続されるので、最悪の場合はうつ病や精神疾患になってしまう可能性もあります。
相手は心を許してくれてるのに、自分は心を許せていない事にすら、罪悪感を感じていました。
⑤物事を深く考えすぎてチャンスを逃す
HSS型HSPの特徴を表現するものに「ブレーキを踏みながらアクセルを踏んでいる状態」という言葉がよく使われます。
営業をしていると、まさにこの特徴が顕著に現れます。
例えば
「どうしても今日の15時までに確認してほしいものがある。もし間に合わないなら他社に相談する。」と、お客さんから頼まれたとします。
スケジュール的にも、トラブルがなければ15時はギリギリ間に合いそう。ただ、少しでも前の用事が押してしまったら間に合わない可能性もある。
こんな時、あなたならどうしますか?
私の場合は、
「もちろん、お客さんのためにも15時までに行ってあげたい。ただ、遅れる可能性を考えると、確実に行ける他社に任せた方が、結果的にお客さんのためになるのではないか?」
そんなことをグルグル考えてしまい、結局行動できずにチャンスを逃してしまう。
こんなことが日常茶飯事でした。
「製品を売る罪悪感」と似ているところで、売上を伸ばさないといけない気持ちと、お客さんのことを思う気持ちで葛藤するストレスが苦しかったです。
⑥相手の言動で一喜一憂してしまう
私たちHSS型HSPは、感受性が高く、お客さんの気持ちを汲み取ることが得意です。
その反面、お客さんの表情やポロッとこぼした一言が気になってしまい、良くも悪くも一喜一憂しがちです。
営業にとって、相手の気持ちを汲み取れる能力は大きな強みですが、その都度一喜一憂してしまうとなると、正直心がもちません。
上司や周りに相談しても、「気にしすぎ」とか「真に受けすぎ」と言われるばかりで、理解してもらえないことも多々ありました。
特に言葉以外で感じ取ったものに根拠はないため「言われてないなら分からなくない?」と言われた時は辛かったですね。
⑦人から引き継いだ仕事は面白くない
ルート営業のほとんどは、前任者からお客さんを引き継ぐ形でスタートします。
すると必然的に、まず前任者がやっていたように仕事をする必要があり、それが仕事のベースとなっていきます。
しかし、HSS型HSPは創造的な思考を持っているため、言われた通りにこなす仕事が苦手で、人とは違うことをしたいという気持ちが強い傾向にあります。
つまり、ルート営業の基本業務は、HSS型HSPにとって面白くない仕事なわけです。
実際、私も前任者があまり力を入れてなかったお客さんや、自分で探し出したお客さんと、一から関係を構築する、新規営業に近い形の方が仕事を楽しめていました。
ルート営業が向いてると思った理由
次に、ルート営業が向いてると思った主な理由は以下の5つです。
- 感受性の高さを活かせる
- 一人の時間が確保できる
- 製品知識を深めることができる
- 感謝されると人一倍嬉しい
- 他職種に比べると刺激が多い
一つずつ紹介していきます。
①感受性の高さを活かせる
ルート営業では、HSP特有の感受性の高さを活かすことができます。
例えば、商品の説明をしている際に、「今の説明あんまり伝わってなさそうだな」と感じたり、見積書を提出した時の反応で、「これだと他社の方が価格は安そうだな」と感じることがありました。
この能力は、営業をしていく上で大活躍します。
例えば、説明が伝わってないことに気付ければ、相手がしっかり理解できるまで説明が出来ます。
他社の方が価格が安そうだと分かれば、次回以降、似た商品の見積りで受注率を上げることができます。(少し価格を下げて見積る、付加価値をつけるなど)
新規営業でも、十分活かすことができますが、ルート営業の方が接触回数が多い分、普段との違いに気づきやすいです。
実際にお客さんの反応から得た情報で、受注に繋がったケースもありました!
②一人の時間が確保できる
私は、過去に人事として、一日社内で仕事をした経験もありますが、やはり常に誰かの目がある環境は、HSS型HSPにとってストレスでした。
その点、営業時代は、社用車での営業だったため、移動はもちろん、お昼休憩も基本的には一人。
休憩場所や時間も、自分で調整できるのは、他の仕事と比較しても向いているなと感じました。
業種・業界によっては、営業でも一人の時間が確保できない可能性もあるので注意してください!
③製品知識を深めることができる
HSS型HSP気質の方で、興味のあるものに対して、納得いくまで調べないと気が済まない、という方もいるのではないでしょうか。
実際に私もこの傾向があり、疑問や気になったことは徹底的に調べていました。
その結果、副産物ではありますが、同期よりも製品知識を深めることができていたと思います。
特に、商材に興味が持てる業界であれば、よりHSS型HSPの特徴を活かせる職種だと感じました。
製品について知識がつくと、自信にもつながるので一石二鳥でメリットを感じていました!
④感謝されると人一倍嬉しい
HSS型HSPは、持ち前の共感力の高さから、お客さんから感謝の言葉をもらえると、人一倍喜びを感じることができます。
営業のやりがいは、人それぞれだとは思いますが、私は「相手のためになれた」と感じた瞬間が、一番やりがいを実感できました。
そんな時にお客さんからもらえる「ありがとう」は、頑張った甲斐があったなと思える瞬間の一つでした。
提案した製品が「売れた」ということより、その製品のおかげで「助かった」と言われる方が、やって良かったなと感じることができました。
⑤他職種に比べると刺激が多い
これはルート営業というより、営業全般に言えることですが、他職種よりも確実に刺激が多いです。
もちろん仕事に関わる刺激もあれば、単純に人との出会いや、お客さんから聞くちょっとした話なんかも、刺激になります。
HSS型HSPが仕事を続けていくためには、仕事上での刺激は絶対条件です。
人事を始めた頃も、当然新しいことばかりでしたが、刺激は間違いなく営業時代の方が多かったです。
特に他業界の人との交流は、普段聞けない話が多かったので、楽しかったです!
- 人との出会い
- 他業界の裏話
- 最近のトレンド
- 最新技術、など
ルート営業と新規営業どっちが向いてるの?
ここまで、ルート営業の実体験について紹介してきましたが、冒頭でもお伝えした通り、HSS型HSPに営業職は向いていません。
その上で、「もしやるならルート営業と新規営業どっちが向いているの?」と気になる方もいるかと思います。
結論からお伝えすると、HSS型HSPは新規営業の方が向いています。
しかし、あくまで強いて言えばです。
注意してほしい点として、新規営業にも法人向け(BtoB)と、個人向け(BtoC)の2種類があり、HSS型HSPにおすすめなのは法人向け(BtoB)。
以下では、私が感じた、新規営業の方が向いている理由を2つ紹介します。
①新規営業でも活かせる理由が多い
ここまでに、ルート営業が向いていると思った理由を、いくつか挙げましたが、これらは新規営業でもほとんど同じことが言えます。
特に、刺激の多さは間違いなく新規営業の方が多いです。
それに対して、向いていない理由で挙げられた、長期的な人間関係なんかは、新規営業だと感じない可能性が高いです。
②ルート営業はルーチン化しやすい
ルート営業は、既存顧客の対応がメインなので、1日の流れがルーチン化しやすい傾向にあります。
仕事に慣れるほど、会う人・通る道・業務内容など、毎日の変化が少なくなり、それに伴い刺激も減っていきます。
HSS型HSPにとって、ルーチン化されてしまった営業は、ただストレスが多い退屈で辛いだけの仕事になってしまいます。
他職種(営業以外)と比較すると、間違いなく刺激は多いですが、ルーチン化の可能性を考えると、ルート営業よりも新規営業の方が向いているといえます。
実際に私も仕事に慣れた頃、「これって自分がやる必要あるのかな?」と、自分の介在価値に疑問を感じる機会がありました。
HSS型HSPは「できる仕事」ではなく「向いている仕事」でより輝ける
以上、HSS型HSPと営業について、私の体験談と共にお伝えしてきました。
HSS型HSPは、責任感が強く、社交性も高いため、どんな仕事でも向いているように見えてしまいます。
しかし、実際は自分の気持ちを押さえ込み、向いているように見せているだけです。
HSS型HSPに向いている仕事とは、創造性や好奇心を無理なく活かせる仕事です。
周りからの「向いている」という言葉に惑わされず、あなたに向いている仕事を一緒に探してきましょう。